2024年4月28日(日)
下北沢第十三回シモキタ名人戦
妹尾隆一郎トリビュート ブルースライブ
吾妻光良(g.vo)、KOTEZ (harmonica. vo.) 山室俊介(g.vo)、永田純(bs)
「知ってるか?下北沢の駅を出たところの床に妹尾さんの名前が彫られているんだと。」
「ええ、それは知らなかったなあ。拝みに行った方が良いな。」
「拝みに行くぐらいなら、そこで演奏した方が良いのでは?」
「でっすよねー。」
という経緯かどうか判らないのですが、シモキタの将棋イベントの中で何故か妹尾さんにゆかりの深い人間達が集まって駅の東口界隈で演奏することになりました。観覧無料ですので、是非お誘い合わせのうえ、お越しください。あ、雨天中止ですので、天気がアヤしい時は商店街からの情報をチェックしてから来てくださいね。
開演13:30 〜40分間ぐらい
観覧無料
シモキタ名人戦 ホームページ
若干心配されていた天候もまったく問題なく、この日はまさに真夏日。主催の関係者のルーデンスという近くのお店を楽屋として使わせていただき、ステージの袖に揃ったこの日の出演者、山室さん、コテツさん、永田さんに吾妻。
野外だからよ、そこはもうウッドストック、てなわけでアフリカ風のジャズ・シャツ、これしかない、と決めて衣装を選んだ吾妻でしたが、ルーデンスさんからこの駅前のステージまで歩いてくるのが恥ずかしくない、と言えば嘘になります。そして司会の方のアナウンスに続いて始まったステージですが・・・、
大変な数のお客さん達が集まってきました。さすが下北沢での妹尾さんの人気の賜物だ、という意見もありましたが一方で、無料の威力は凄まじい、とのドライな意見もありました。この真っ昼間の商店街にブルースが鳴り響く、という光景を目の当たりにして「往年のシカゴのマックスウェル・ストリートの様だ……」とつぶやいたのは、日本屈指のブルース文筆家、編集者、レコード制作者のK地さんでしたが、
いくらジャズ・シャツに身を包んでいても、何とも日本的な風景であったことは否めません。しかもこのイベント、メインは将棋やチェス、麻雀などの大規模対戦大会ですので、ステージの裏から見ると
どことなくシュールなたたずまいだったりもします。後半はお客さんのコーラスもまじえて徐々にヒートアップ。
吾妻も洋行帰りですので、すぐにT・ボーン背中弾きをご披露。
そして終演後は所用があって帰った山室さんと永田さんを除いた有志で記念撮影。
一応、演奏に限らず文筆も含め、世間に向けて何らかの活動をされている方々にはモザイク処理を施しておりませんのでご了承ください。そしてそのまま近隣の餃子屋さんへとなだれこみました。
「何だ、すぐ席作る、って言ったのに全然呼びに来ないじゃないか」
「お爺ちゃん、怒らないでーっ!怒らないでーっ!」
ハープのサトコちゃんから、まるで孫にさとされる様な形で注意される吾妻でした。そして乾杯の音頭は妹尾さんの子供のYさん。
何ともよき春の日でした。
2024年4月21日(日)
高円寺JIROKICHI
吾妻 光良トリオ+1
ゲスト:入道
さて、二度目となります入道先輩をゲストに迎えての次郎吉マンスリー。思えば吾妻が初めて入道さんが唄うのを生で見たのは1975年の5月ぐらいの吉祥寺マンダラでジューク・ジョイント・ブルース・バンドにゲストで出演された時だったかと思いますが、その時のハードエッジなシカゴ〜モダン・ブルースにブッ飛ばされたのは記憶に新しいところですが、それから約49年、春にふさわしいバラードを唄う入道さん、みたいな場面も充分期待される今日この頃、いやあ、長く付き合った間柄だからこそ楽しめることもあるものですなあ。
開場18:30 開演19:30
前売:3,700円/当日4,200円(+ドリンク)
この我々のマンスリーだけではなく、次郎吉のライヴって一体どうやって始まるんだろ?と不思議に思ったことは無いですか? え?別に無い?そんなこと言わないでくださいよ、それじゃあ話が転がっていかないですよ。まあいいや、どうやって始まるかというとですね、通常は大体開演時間ぐらいになると、楽屋のインターホンがプープープー、と三回鳴るんですね。これは三回鳴らすと楽屋を呼んでる、という意味があるのですね。一回だとカウンターを、二回だとPA席を呼んでいる、という長い歴史に培われた完成されたシステムなのです。で、そのインターホンに出るとPAのワオさんが、「それじゃお願いしまーす」と言って始まるわけです。で、それより早めのタイミングでかかってくると、やはりワオさんが「すいません、まだ予約の方が来られてないんで、10分押しでお願いします」みたいなことも多いんですね。ところがこの日は生身のワオさんが楽屋に来られて、
「すみません、今日ちょっとタカが休んでて、郡司君一人で料理しなきゃあいけなくて、いま全然それが間に合ってなくて・・・。しかも、その料理が終わらないと配信も郡司君がやってるんで始められない。というわけでして始まるのが7時50分ぐらいになりそうで・・・」
と事情を説明しに来られました。しかし、ここまで開演が遅れるのもそうそう無いことですので、吾妻がご来場の皆さんに事情を説明する、という場面からこの日は始まりました。
ようやくオーダーが全部整って、20分遅れで始まった牧さん復帰第二弾の次郎吉マンスリー。
この日は井出さんの時のエレキベースではなくコントラバスでの登場で、体力回復も順調です。一方、吾妻が珍しくストラトキャスターで登場しているのは体力が落ちているからではなくて、ゲストの入道さんのジュニア・ウェルズの曲に合わせるとやっぱりバディ・ガイかなあ、それだったらストラトだよなあ、という単純な発想からでありますが、いざ慣れないストラトを持ってステージに出ると、あ、俺もロックかな?という心持ちになってきます。
どうだい、俺はジミヘンみたいかい?と早崎さんに問いかけましたが鼻で笑われた模様です。そして6曲ほどお届けして一部最後には入道さんのご登場。
登場曲は”Everyday I Have The Blues”で、あれ?この曲はコーラスは無かった筈なのに、何故詩生さんだけ、コーラスをやっている様な仕草をしているのでしょうか?真相はすべて闇の中です。
何しろ気分はバディ・ガイですから、ハープを吹き始めた入道さんにシビアに鋭く反応しようとしている吾妻ですが、その後ろで生暖かく見守る岡地さんはどことなく好々爺風でもあり、好対照です。
そして定番の”Stormy Monday”では、T・ボーン・ウォーカーの弁当売り奏法をご披露。さすがにピアノは持ち上げるわけには行きませんが、雰囲気だけ真似てみた、ということでしょうか、詩生さんのこんな謎の奏法も。
まあ、奏法というよりは顔芸でしょうか。
何しろ洋行帰りなものですから入道さんとこんな会話の場面も。
「アメリカではT・ボーンの人気が高くてですね」
「向こうではブルース関係者だけじゃなくてロックの人からジャズの人までT・ボーンのことを知ってるもんね。」
「す、すみません、そんなに広範な人々と会ってきたわけではなくて・・・」
付け焼刃の知識が露呈してしまいました。
この日は前振りコメントにも書いた様に、これまで一緒に演ったことの無いルー・ロウルズのバラードなども取り上げましたが、しくじって入道さんに恥をかかせてはならぬ、と皆、結構真剣に取り組んでおりました。
真剣なのは良いんですが、ちと人相が悪くなるのを何とかしたいものではあります。
そして大団円は、激しくロック、な雰囲気でしめくくりました。アンコールも
写真だけ見ると激しくギターを弾いている、と見えなくもないのですが、何とこれもお初の曲で昔の白人の女性シンガーが唄っている”We’ll Meet Again”というある種ハワイアンっぽい様な佳曲で、吾妻はストラトのボディを揺すってスチール・ギターの様な音を出そうと試みている場面であります。入道さん、こんな甘い小唄もなかなか味わい深くて良かったです。
また珍しい曲、いっぱい演りましょう!
2024年4月18日(木)
渋谷Grand Gallery
VINTAGE JAZZ POSTER SCRAP 発刊記念
佐井重昭 レコード発売記念パーティー
LIVE:吾妻 光良 & 牧 裕
DJ:沖野修也,MURO
だいぶ昔に井出さんの主宰するレーベルから吾妻の実の叔父である佐井重昭氏のCDを出して頂き、叔父はもう数年前に亡くなりましたが、その晩年に華を添えて頂いたことがありましたが、何と今回それがアナログLPで再発されることとなりました!更に井出さんのジャズポスターの本の発刊にも合わせて、代々木八幡の井出さんのお店で両者の記念パーティーが催されることとなりました。本当にありがたいことですし、吾妻の実家関連は大騒ぎになっている、との噂もあります。叔父のアルバムでも弾いている牧さんも参加します。
イベント時間:18:00〜21:00
入場料:4,000円(1ドリンク付)
牧さんの入院復帰ライヴ一発目となったのは、叔父のLPレコード発売記念イベント。時々この井出さんのお店でプライベート・パーティーの様なものがあって、そこで演奏させて頂く機会はこれまでもありましたが、今回広く告知も繰り広げてのイベントで、店内にはこんなディスプレイもありました。
実の甥が自慢するのも何か変ですが、やはりLPサイズのジャケ写もなかなかの迫力でして、CDの時には良く判らなかった、叔父の初ニューヨーク赴任直後、という時代のニューヨークの街並みの様子がつぶさに見て取れます。ちゃちゃちゃ、とリハを終えて、でお前、医者は何と言っていたんだ、と牧さんを囲んで飲みに行く頃合いとなりました。
話し込むうちに時間は経つものでございまして、その頃Grand Galleryでは、
MUROさんのDJがあったり、
沖野さんのDJもあったり、といい感じで盛り上がっていた様です。そして我々の出番。
写真ですと、いつもの雑なライヴと変わり映えがしない様にも見えますが、叔父がやっていたインストですとか、実家で初めて認識した、叔父と自分の共通点を見つけた曲、など織り交ぜてお届けしました。そして最後はレーベル社長の井出さんと記念撮影。
そもそもこのアルバムが出来たのは、牧さんと井出さんが中野の駅でバッタリ会って、
「おや、牧さん、今日はどちらへ?」
「あ、ブライトブラウンで吾妻の叔父さんとライヴで。」
「へえ、叔父さんですか。面白そう。見に行こうかな。」
という会話があって、それを見た井出さんがすっかり気に入ってくれて、これは是非CDにしましょうよ、と言って頂いたのがきっかけになったのでした。やはり人と人とのつきあいは大切ですねー。
2024年4月10日(水)
高円寺JIROKICHI
吉森 信 &吾妻 光良
先日の下北沢ラカーニャでの大河画伯の個展の時に初めて吉森さんとのデュオを演らせて頂きましたが、それに味をしめて、というわけでは無いのですが、お手伝いできることなら何でもハイ、ということで吉森さんのソロに花を添えることになりました。え?どこが花だって?でっすよねー。何はともあれ、吉森さんの独特な静謐な世界を汚さぬ様に留意して臨む次第であります。
開場18:30 開演19:30
前売:3,000円/当日3,500円(+ドリンク)
何か慌ただしく過ごしておりましたら、この時のライヴの写真をどこにやったのか判らなくなってしまい、すっかり更新が滞っておりました。そう、この日は配信も無かったので次郎吉のミホさんに何枚か撮ってください、とお願いしたのにそれをなくしてしまったら人非人です。どうしたんだろう、ダウンロード・フォルダにもフォト・フォルダにも無い、と探していたら、なぁんだ、きちんと名前をつけたフォルダにしまってありました。ということはこの日は酔い方が良かったのかも知れません。そんな吉森さんとのデュオはこんな感じ。
さすがにミホさんにお願いすると写真も次郎吉という空間がより判りやすく撮られている様な気もします。何か写真から感じ取れるムードもいつもより気品がある様な気もします。この日の吾妻の楽器は・・・、
そう、自宅の近所の古道具屋で800円で買ってきたフォーク・ギターですが、これは伊達や酔狂ではなく、自宅で吉森さんの音源を聞きながら練習していると、うむ、今日はこのギターしか無い!と確信して持ってきたものでした。何しろギターとピアノだけしかないDuoでしかもほぼほぼ生ギターですから、
「ワオさん、今日は俺、次郎吉に出て一番小さい音で演奏してる日かも知れないよ。」
「あ、そうですか。」
何とも盛り上がらない会話ですが、まあそんなものでしょう。演目としてはJOJOさんとの紅白歌合戦に若干似た様な、一曲ずつ交互にそれぞれの持ち曲を演っていく、というスタイルでした。
吉森さんの曲は譜面を見ると、何やらキテレツなコードが並んでいる(失礼)様にも見えますが、実際に弾いてみるとすごくしっくり来る、というのが、メロディ・メイカーとしての凄さでしょうか。一方の吾妻の方は、
まあ、いつもの様なワチャワチャな曲も多いのですが、吉森さんもそれなりに楽しく弾いていただけた様で何よりでした。しかしまあ、いつもの様なやり口はそう変わるわけでもなく、
折角の静かな音量なのに妙に力を込めて弾いたりもしてしまいました。
「この目の前の椅子のビニール袋は?」
ああ、実はこの日は朝から花粉症なのか鼻水が止まらず、ステージで鼻をかんだあとにティッシュを入れておくためのビニール袋ですね。汚くてすいません。
終了後、吉森さんと楽しかったね、またやりましょう、などと話してすぐに楽器を片付けに行くとワオさんもPA機材を撤収していました。
「ワオさん、どうよ。やっぱり音小さかったでしょ?」
「あ、小さいから上げちゃいましたよ。」





















































