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2023年7月

2023年7月30日(日)
浅草Hub
Drinkin’ Hoppys

富山浩嗣 vo,g? 徳武晧也 b???? 関勇亮 dr??? 井上渉 pf

近藤研也 as???? 武藤行輝 as?? 浦野紘彰 ts? 山田竜輝 bs

大槻寿彦 tp???? 下田純子 tp? ??荒井和弘 tb ?吉田悠貴 tb

with 吾妻 光良

富山君から急遽誘われた浅草Hubのライヴ、二部と三部にお邪魔いたします。当日は50年代に一世を風靡したTreniersのステージ演出、”Salt Smell Shoe”というものが再現されるとかされないとか、という噂もあり、好事家の皆さんには見逃せない一夜となる、という噂もごく一部ですがささやかれています。

open 17:00
1st SET 18:00~18:40
2nd SET 19:10~19:50
3rd SET 20:20~21:00
Charge ¥2,750

Hub スケジュールページ

こちらも二回目となる浅草HUB、ええとぉ、どうやって行くんだっけか、と電脳の地図を見て、なるほど、これでバッチリ、と学習し終えた辺りで富山君からメールが入り、良く場所も判らないでしょうから、一緒に行きますか、とのことで、ふむ、年寄りだと思ってバカにしているのか、とも思ったものの、まあ、そう言って頂けるなら、と中野のホームで待ち合わせて一路浅草へ。というつもりが何と一つ手前の田原町で降りる、と。

「何だ、折角、道を予習してきたのに、これじゃ身につかんな。」

「でも暑いっすから。こっちの方が近いんで。」

「まあ、そこまで言うなら・・・、あ、あっちが雷門だろ?」

「いえいえ、雷門はあっちですよ。」

「あ、これが俺が出ようとしてたA出口だよ。」

「吾妻さん、それ、つくばエクスプレスですから。」

いやあ、一人で来てたら完全に迷ってましたな。そしてお店に着くと、そうそう、このHUBはPAを自分達でセットするのか、と思い出しましたが、そうなると長年の習慣でつい身体が動いてしまいます。しかし、今回プロ入りしてびっくりしたのは、以前はちょっとロフト風に上がったところにあるPAブースに入るのに結構難儀したのですが、今回はすんなりと昇れたので、何故だろう、と考えるとこれはどうやら毎朝やっているラジオ体操のおかげなのではないだろうか、と思い当たりました。継続は力なり、ですなあ。え?そんな大したことじゃない?でっすかねー。
さて、リハが終わるとHoppysの面々は嗜みに行くわけですが、吾妻はまだ絶賛中耳炎中ですので、皆とは別行動で近所でソフトドリンクなどを飲んでから本番前に店に戻りました。そして1部はHoppysだけのステージ。

今回の写真はメンバーの友人の方が撮ってくれたものですが、やはり若い人は写真を縦に撮るのが一般的なのですね。ジジイはパソコンが長いのでどうしても横長になりがちです。ご覧の様に夏のHoppysの衣装は「アロハ」で統一されております。そして酷暑の中ですので、この日の演目には、「バスで伊豆へ」、「名古屋は味噌」といったラテン風味の曲もちりばめられておりました。

富山君とサックス・セクション全員がパーカッションを担当していましたが、なかなかラテン楽団としてもイケてるところを見せてくれました。そして休憩後は・・・、

「どうした?テナーの音がするのに姿が見えない!」

と、ちょっとベタな登場芸ではありますが、テナーの浦野君がワイヤレス・マイクを使って裏手から登場するインスト「ディーコンズ・ホップ」からスタート。

浦野君はつい最近名古屋に転勤となったばかりですが、久々のワイヤレス・ショーということでブロウにも力が入っておりました。吾妻はその後に加わり、ほぼ全編共演させていただきました。

かなり齢の差があるわけですが、アロハの威力ということでしょうか、結構周囲に馴染んでおるわけです。しかし、見に来ていた知人の方々から、着こなしがいかがなものか、と指摘されました。

というのは、吾妻のみ「シャツイン」、他の若人は全員「シャツアウト」、これはいかがなものか、というご指摘だったわけですが、お腹が冷えちゃうからねえ。中耳炎に加えてお腹も痛い、となったらこれは戦線離脱しか無いのでまあ、勘弁してくださいよー、と言ったところです。そして、この日の白眉は予告でもお知らせした、Treniersの超クダラナ芸、”Salt Smell Shoe”。あるLPの写真でしか見られないのですが、ヴォーカルのクリフ(クロードかも)が、意識を失っているサックスのドン・ヒルの鼻先に革靴を差し出している、という画なのです。これまでの研究ではサックス・ソロの最中に靴を鼻先に持っていくことで、臭さの余り気絶してしまう、という芸なのではないか、とされていたのですが、さすが教職、この日は富山君による新解釈、「サックスを吹きまくる余り気絶してしまったサックス吹きの意識を回復させるために靴の臭気を利用する」に則って進行してみました。その結果がこちら。

アルトの近藤君を覚醒させるべく鼻先に持って行ったのが革靴ではなくて、室内履きのスリッパ、というのも余り本物っぽくはないですが、今後も引き続いての研究が期待される分野であります。

2023年7月29日(土)
福生 おでんと一品 そら豆
吾妻 光良トリオ+1-1

これが二回目となるおでんとそら豆さん、前回聞いていた話では駅前の再開発に伴って次に来る時は、移転した後になるのかな、と思っていたら何と進捗が遅れているおかげで、まだ旧来の店舗で演らせていただくことになりました。ちょっと和のテイストの入った店内は楽屋が座敷で入口が布で仕切られていたりして趣き深いので、もう一度訪れたいと思っていたのであります。さすがに広さや防音の問題でドラムは入れられませんので、前回同様、”+1″から”-1″したメンバーでお届けします。

開場: 16:00 開演: 17:00
前売\3,500/当日\4,000 (別途1ドリンク)

おでんと空まめさん Facebookページ

これが二回目となる福生「おでんと一品そら豆」、グテーレスさんが沸騰だ!と騒ぐだけある酷暑の中を福生まで行くのか?と若干引き気味にもなりますが、いや、三鷹から特快に乗りっぱなしで着いてしまうので楽だし涼しいし、家にいるより楽かも知れません。しかもお店は駅から徒歩3分、何でも前回お邪魔した時はもうすぐ移転、という話でしたが、遅れに遅れているそうで、まあ移転後もこれぐらい便利なところだと良いですね。さて、楽器をセットしてリハに臨もうとすると牧さんのベースから「ジー」という嫌な音が。

とりあえず、お店の方にも協力して頂きつつ何とか誤魔化して使える様にはなりましたが、このステージ奥の壁に掲げられている「元気を出せ音楽」という垂れ幕のキャッチが空しく映ります。それにしても「元気を出せ音楽」というのは何なのでしょうか。「金を出せ静かにしろ」とか「現況惰性音楽」とは関係無いのでしょうか。

なるほど、7月に「福生元気を出せ音楽祭」というフェスがあって、ここのお店でもいろんなライヴとかをやられていたそうで、ネットで調べるともう20回目だとか。ご縁があればお邪魔したいものです。にしても、リハをやっている我々は全然元気な感じがしません。この日の写真はお店のご主人とkokoさんのお二人に撮って頂きましたが、kokoさんにお聞きしたところ、「そら豆」というのはご主人の呼び名だそうで、用法としては「みつを」とか「みつよし」とほとんど変わりません。

おそらくそのそら豆さんの撮られた写真かと思うのですが、エキセントリックな画角が何とも言えぬ寂寥感を醸し出しています。そしてリハ終了後は隣の店にたしなみに・・・、の筈が何とこの日はたしなみません! というのも吾妻が中耳炎で耳鼻科にかかったところ、抗生物質を含む大量の薬を渡され、抗生薬を飲んでる間は禁酒する様に、と言われているのでひたすらノンアル・ビールや炭酸を飲んでいました。飲まないと面白くないものですねー。そうこうしているうちに本番。

いやあ、この酷暑なのにお集まり頂きまして本当にありがとうございました。こうなるとバンドというものは判り易いもので、皆様の支援を受けて

若干、表情も勢いを取り戻して、

ベース不調の人も中耳炎の人も、そうしたブルースを吹き飛ばしつつ、

なかなかに楽しく盛り上がる夕刻となりました。そして暑さも機材不調も体調不良も関係なく、この日もアンコールは練り歩き大会。


写真には写っていませんが、詩生さんも吾妻も一応お決まり通り、お店の前の道路にも出て演奏してみました。移転に向けてのマイナス材料にならなければ良いのですが・・・。

そしてお疲れさまでした。この日は飲めないこともあって早々に失礼しましたが、次回はとっぷり、ぐらいは飲んで帰りたいですねえ。

2023年7月22日(土)
高円寺 JIROKICHI
吾妻 光良トリオ+1
ゲスト:小出 斉

6月に続いて7月もゲストあり、しかも旧知の仲も旧知の仲、早崎さんはまだその頃は高校生だったかも知れませんが、それ以外の3人は今から45年ぐらい前に学食や学校近隣の喫茶店、はたまた大久保とか高田馬場の居酒屋で一緒につるんでいた小出さんが満を持してゲストで登場いたします。つい最近、初の弾き語りアルバムを出した小出さんでもありますので、何曲か弾き語りでも・・・、あ、楽しようとかいう魂胆ではありませんよ。あ、ということで今回も+200円、ご理解のほどお願いいたします。

開場18:30 開演19:30
前売:3,700円/当日4,200円(+ドリンク)

JIROKICHI ホームページ

改めて考えてみると、前回の次郎吉マンスリーからほぼほぼ一ヶ月と二週間が経っており、その間にBoppersとTokuzoホーンズがはさまり、何か四人で集うのは久々な感じがします。

それぞれの夏、キンチョーの夏、で良いのでしたっけ?良く判らないけど良いキャッチコピーですね、はともかく、どんな7月前半を過ごしていたのかというと・・・、

吾妻の場合は、真夏になってようやくライヴ用の半袖シャツも稼働し始めてなかなか涼し気なのですが、後ろの岡地さんがドラムのミュート用に使っている布切れとこの半袖シャツが妙にフィットしているのが良いのか悪いのか・・・。そして実は名古屋~京都ツアーでホテルの冷房でやられたのか、実はちょっと夏風邪気味であります、あ、コロナではありませんからね!(7/24確認済)

そしてこちらの方も実は名古屋~京都ツアーで夏風邪を拾ってきてしまい、帰京してからほぼ一週間経ちますが、まだ声が出ないという状態です。そんな中、

こちらの方は、名古屋~京都ツアーの一週間前にボ・ガンボ関連のイベントで磔磔三日間、という猛烈なリハとライヴを走り抜け、燃え尽きた筈なのですが、この日は上記の二人と比べてまだまだ元気。若いころにデンプンと油ものと酒で作り上げた身体に、山暮らしの体力増進も加わって、向かうところ敵なし、といった状態です。そして、

出ました、「ザ・ラスト・マスクマン」の牧さんですが、この日の少し前、若い頃に勤めていた会社の同窓会的な飲み会があり、新宿のD者家に飲みに行ったところ、店内でマスクをしていたのは牧さん一人だけ、という状態だったそうで、面目躍如であります。さて、ライヴの方は涼しい曲、涼しい曲、という感じの選曲で6曲ほどお届けしてからこの日のゲスト、小出先生をお呼びいたします。

お呼びするのが先輩とかの場合ですと、慌てて椅子から立ったり、そもそも頭から座ってなかったりするわけですが、何しろ一学年下ですからねえ。日本では80代になっても「あいつは学年ではワシより確かふたつ・・・」といった話が飛び交うぐらいですから、吾妻も結局二部から立つことにして一部は座ったままで失礼しました。実はこの前の週に吾妻と小出さんと更に二人の後輩のK安田君と阿佐ヶ谷で会食(小出さんは飲まない)していたわけですが、その時に、どんな曲演るの?と言って出て来たのが”Saturday Blues”(Ishman Bracey)。おお、懐かしい!と個人的に盛り上がり、それもあってこの日はマンドリンとのダブルネックで参戦したわけです。

良く考えたらギタリスト二人が揃ってテレキャスター、というのも珍しい光景ではありますが、マンドリンの存在感が強すぎてテレオリンは余りテレキャスターには見えないところが惜しいです。

こうして一枚の写真に収まると判らないものですが、実は小出さんの左側にいる三人と右側の三人は結構出自が違うもので、左側の三人は嫌、というほどブルース・バンドで演奏してきた経験がありますが、右の方はジャズやアイリッシュ、フォークは通って来たもののブルース・バンド、というもので演奏してきたことはほとんど無い、あんなに45年前ぐらいにはつるんでいたけれど、ほとんど無いのです。なので、未だに特定のブルース曲のイントロからの入り方が理解できない、というのが以前から判っており、今回この小出さんとの共演を機に、牧さんイントロ強化プログラム、を組んでリハ~本番に当たりました。これがいつか開花する日も来る、といいですね。

次郎吉さんには、毎月当たり前の様に配信をしてもらっていますが、そう言えば時々こんな合成画面も作ってもらっているのですね。ありがたいことです。さて、ライヴも終盤になり、

おお、出ました、小出さんといえばこれ、「大回転客席めぐり」。大回転、と名付けたのは荻窪ルースター店主のSさんだったかと思いますが、我々がアンコールで良くやっているのは、ピアニカと電池のアンプで客席に乱入するスタイル、伊藤君達がやっているのはギターにワイヤレス送信機をつけて乱入するスタイル、そして小出さんはアルバート・コリンズと同様にギターのコードをつけたまま、客席を一巡して帰る、というスタイルで、当然誰かしらがギターのコードを送ったりしなければ成立しませんが、お客さんの中にはこれを手伝ってくれる方もおられるわけです。この日もこの様に・・・

あれ? どっかで見た方だなあ・・・、と吾妻が演奏しながら考えていたら、。ああっ!以前勤めていた時の取引先の方で、しかも若い頃はビデオのカメラマンをやっていたのでケーブルさばきはお手のもの、というSさんではないですかっ!思わずお辞儀をしてしまいました。

小出さんも今後も店の大きさに関わらず、回転を続けていってくださいまし。

2023年7月15日(土)
名古屋 今池 Tokuzo
吾妻 光良 Jump Meeting

吾妻光良(vo.g),牧裕(b),岡地曙裕(ds),早崎詩生(p)
登敬三(ts),小埜涼子(as) ,石渡岬(tp)

コロナでちょっとご無沙汰しておりましたが、もう何回もやっている我々トリオ+1とトクゾー・ホーンズの皆さんとの名古屋・京都横断ツアーの初日であります! これまで散々演った曲も、トリオ+1で比較的最近演る様になった曲も取り交ぜてお届けしたいな、と思う今日この頃ですが、その前に小埜ちゃんがこれまでの譜面をなくしてないと良いんだがな、とも思っております。←朗報朗報!小埜ちゃん、ほとんど持ってました!(6/17情報)

開場18:00 開演19:00
前売:4,000円/当日4,500円

TokuzoさんHP

調べてみればTokuzo Hornsの皆さんと一緒に演るのは四日市以来の4年ぶり。何の曲演ったっけ? そもそも譜面はあるのか?と、危機感を覚えた我々はとりあえず以前、「譜面をすべて失くした女」として有名になった小埜ちゃんに確認してもらっていたところ、上記の様にかなりの数の譜面が温存されていることが判りました。失敗は成功の母、というやつでしょうか。で、小埜ちゃんにメールでその発見された譜面の情報を尋ねると、

まあ、無いよりは良いのでしょうが、こうやたら数があっても困るもので、とりあえずリハの前に対策会議を開いた上で演る曲、演らない曲、使用する譜面、使わない譜面、などを分類した上で本番に臨みました。先ず最初は我々4人だけで始めます。

この日吾妻はサイドバーで告知している、WEBサイトmocさんのシャツを着て行きましたが、なかなか早崎さんとの補色の塩梅が良かったのではないか、と個人的には思っております。そして4曲目からはTokuzo Hornsも加わりまして

4年ぶりなのでジジイ達もみな大喜びでした。演目も曲数が充分にあるので、こんな具合にしっとりとした曲から、

やたらとはっちゃけた曲まで、

バラエティに富んだものをお届けすることかが出来ました。そしていつもは縁の下の力持ち、として屋台骨を支えてくれている牧さんにも、この日は珍しくソロをご披露頂きました。

お客さん達がしっかりと牧さんを見られる様に姿勢を低くする、というTokuzo Horns Ladiesの細やかな心遣いが嬉しいですね。あれ? でも登さんは楽器の調整中か?と思いきや、

牧さんへの配慮はしつつも、しっかりと水分補給を怠らない吾妻であります。京都は猛暑ですからね。え?白ワインじゃ、水分補給にならないのではないか? でっすかねー?さて、ライヴも終盤、ここで吾妻が首からぶら下げているのは、雪山の遭難者向けの気つけ用のブランデーとかではございません。

客席行脚用のミニ・アンプです。小埜ちゃんが何を笑っているのかは良く判りませんが、まあ喜んでくれてるなら良いか。とにかくアンコール曲が始まってしばらくすると率先して客席に出て行きます。

するとホーンズのメンバーも次々と降りてきて、各々勝手な場所で吹き始めます。

吾妻が手を上げて指差しているのは、何かを糾弾したり非難していたりというのではなく、ほら、次、ソロ吹いてくださいね!とお願いしているところであります。そんな頃、お店のカウンターの中には早崎が入っているのがお判りでしょうか?まるで昔の西洋宗教画の謎解きの様な趣きもあります。

そして最後はピアニカ様の降臨で、この日は大団円を迎えましたとさ。

2023年7月16日(日)
京都 磔磔
吾妻 光良 Jump Meeting

メンバーは前日と同様。しかし・・・、
ゲスト:福嶋”タンメン”岩雄

京都で演るならこの人は外せません、ジャンプ及びブルース日本語化協会の盟友、タンメンを呼んで数曲歌っていただきます! 特に昨年末~今年の頭にかけて本場米国南部を回ってきたばかりのタンメンですので、これまでとはまたひと味違ったスタンダップ・シンガーのたたずまいが味わえるかも知れません!

開場17:00 開演18:00
前売:4,000円/当日4,500円

磔磔HP

翌日の京都はこちらも4年ぶり、だかの祇園祭りの宵山、言ってみれば前夜祭の様なもので物凄い人出なのではないか、ええ、こんな暑いのに?ということでジジイ達はまったく何の観光気分も起こさず、ホテル近くの宮本むなしで昼食を食べた後は、静かに一路京都に向かいます。しかし小埜ちゃんと岬ちゃんはまだ若く、昔で言うならアンノン族かクリスタル族か良く判りませんが、そういう気質もお持ちらしく、我々よりも一時間以上前に名古屋を出発して京都でグルメ・ツアーをしてから行くわ、と元気満々です。

あれ、意外に眠そうでしたが、ま、暑いですから無理しない方が良いでしょう。そして磔磔に入って前日同様、譜面を見ながら打合せをしてタンメンのリハーサルへと入ります。

打合せで確認したところ、4曲は譜面も整っているし曲も良く知ってるし、楽勝で出来そうな感じなのですが、何しろ自分達の演目よりも更に久々の再演なので、リハではあちこちでつまずいたり、あれえ?という声が聞こえたりします。

こんな具合に吾妻がホーンの皆さんの方を向きっぱなしなのは、いやいや、二回演奏したら、コーダに飛ぶ、わけじゃあなくて、頭に戻って、いや、そうじゃないな、ダル・セーニョしたらそのまま待機して、次の日本語の歌詞が聞こえたらコーダに飛ぶ、で良いんだっけ?え?違う?とおぼろげな記憶を引きずり出しつつ要領を得ない指示をしているからであります。

タンメンが正面を向いて歌っているのに、それに背を向けてホーンズとのコミュニケーションに専念しているのは、こうして改めて見ると失礼な印象すらあります。しかし、さすがタンメンはスタンダップ・シンガーですから、ここぞという時には、

ええか、みんな、ここで終わりやで、とガッツリ合図を出してくれるのは頼もしい限りです。そんな頃、ステージの配置と楽器の形から致し方の無いところではありますが、舞台上手の方では一人、疎外感を感じている人がいました。

ましてや猛暑下の冷房と前日の声の出し過ぎですっかり声を枯らしてしまったこともあり、なかなかみんなの輪に入ることが出来ず、計り知れない孤独の中でリハに興じていた様です。
まあ、そうこうするうちにリハも終わり、本番まで二時間弱、さて祇園祭り・宵山の河原町に繰り出して飲み屋を探すか、それともコンビニで何か買ってきて楽屋で飲食するか、東京組はほぼ8割5分の心持ちで後者に傾いておりましたが、タンメンと登さんという二大京都在住組の叡智によって、非常にリーズナブルな飲み屋にたどり着き、涼しくも優雅な雰囲気の中でたしなんだ後、本番までは楽屋でゆったりと過ごしました。

本番が始まり、先ずは我々4人だけ、ではなくて、この日はタンメンの4曲も加わってますので曲数はもう充分、しょっぱなから全員での演奏です。

そして二部の中盤からはタンメンの登場ですが、一曲目はジョー・ターナーでも有名な”Piney Brown Blues”、30年代にカンサス・シティでサンセット・カフェ、というクラブを経営していたパイニー・ブラウンのことを唄った曲ですが、そんな往時に想いを馳せながらピアノの伴奏の中、磔磔の二階から降りてくるスタンダップ・シンガーのタンメン、やはりこう画になります。

更にやはり前年の渡米経験の影響でしょうか、それとも楽屋の壁に飾られた数々の外タレ公演の看板の影響でしょうか、いつもよりも余計に外タレの風情を漂わせるタンメンでした。そして話は戻りますが、バンドというのは人の和が大切です。西に疎外感味わう人あらば一人にしておいてはいけません。

タンメンと吾妻の二人で孤独なピアニストに檄を飛ばしました。そしてこの日も、場内練り歩きの体制を取ってアンコールへと向かう気満々の二名でした。

何はともあれ、二日間お疲れさまでした。また、忘れないうちに演らんといけませんね。