2018年8月25日(土) 高円寺 jirokichi 「全日本 Jive 祭り」
吾妻光良3+1にホッピーズの富山さん、 そして大阪の Jump&Jive の期待の新星 トミー井尻ィ氏を迎えてJive 好きの貴方、 貴女に送る一夜のお祭りです。
吾妻光良(Vo, G) 牧裕(Bs) 岡地曙裕(Ds) 早崎詩生(Pf) GUEST:富山 浩嗣(Vo,G) 井尻トミー昌孝(Vo,G)
open 18:30 start 19:30 料金 \2500 (+1 order)
jirokichi スケジュール そもそもこのバンドなんてぇものをやる様になったのは、ある曲を聞いて好きになり、それを自分でも演ってみたいという、ある種音楽愛好家的な心情がその根っこにあったから、ではないかと思うわけですが、全国津々浦々にブルース・マニアもいればジャズ・ファンもいるし、そしてジャイヴ愛好家も多々、かどうかは微妙ですが存在しているのは間違いありません。そんな愛好家でしかも自分でもバンドをやっている人々を集めてジャイヴ祭りをやってみたい、というのは飲んだ時などに時々話にも出たりするわけですが、そんな折、関西の愛好家で知人のトミー井尻ィ氏が来日、いや来京すると聞き、よし!第一回全日本ジャイヴ祭りの開催だ!ということにあいなったわけです。いくら何でも大阪から一人呼ぶだけで全日本、は言いすぎじゃないのか、という声も一部にはありましたが、こうして理想を高めに持つことは大切です。 「ところで、”ジャイヴ”って何?」 これを語ると長くなりますが、一番簡潔に説明するなら1930~50年代の黒人ポピュラー音楽、と言ってしまっても良いのかも知れません。ちなみに昔、日本でも活躍していた長見順ちゃんと一緒に演奏したりしていたアーカンソー・ファッツというお爺ちゃんは、 「”ジャンプ”だの”ジャイヴ”だのという言葉は勝手に誰かがこさえたもんだ!ああいうのもこういうのも全部ひっくるめて”ブルース”なのだ!」 と言っていて、おお、本場のざっくり感は凄いなあ、と感心したのを覚えています。さて、愛好家的観点から言えば、このジャイヴ、しかも30~40年代のもので欠かせないのはこの楽器。 そう、ティプレというウクレレをちょっと大きくした様な鉄弦の楽器ですが、これがシャラーン♪とコードを鳴らすといかにもジャイヴだなぁ、というムードになるもので、吾妻もなんちゃってティプレを一台持っていますので、これを投入しようと画策していたのですが、何と猛暑のあおりか、ある日ブリッジが、メリ、という音とともに浮き上がってしまい使用を断念、その代わりということで、同様の複弦の響きが出せる12弦ギターを投入しました。色も白ですので、三週間ぶりに36度という猛暑の、しかも阿波踊り真っ盛りの高円寺においてはなかなか涼しげなセレクトではありました。 先ず、オープニングはいつも通りのトリオ+1でスタートしまして・・・、 早速、井尻ィ氏の登場。ナット・キング・コールからジミー・ラッシング、他にもあまたの人が歌っている”Baby Won’t You Please Come Home”を日本語訳も交えて披露していただきました。そうそう、井尻ィ氏は「ブルース日本語化協会」の会員でもあるのです。ひとしきり歌が終わると赤いピアノの人のソロとなりますが、あれ、打ち合わせしていた尺で終わらず更にもうワン・コーラス弾き続けます。本当に弾きたがりはしょうがねぇなあ、と周囲から冷たい舌打ちの音が聞こえるなか、続いて吾妻のソロへ、とつながりますが、あああ、ど、どうしたことでしょう、弾き止めることが出来ずに、結局早崎氏と同じだけの所定の倍の尺、ソロを取ってしまいました。弾きたがりというのはどうやら伝染するものの様です。井尻ィさん、すみませんでした。 そして、ホッピーズでもお馴染み、富山さんの登場ですが、一曲目は珍しくバイオリンを弾いて歌うスタッフ・スミス、という方の”Is Is”、富山さんの談では皆に聞かせるための音源がyoutubeなどに落ちていないものか、と探すのだけど、このタイトルで検索するとほとんどがイスラミック・ステートに関するページが出てきてしまうそうで、困った世の中です。富山さん、本業は教育関係ということもあって、コード譜などキッチリした資料を用意してはくれるのですが、どうにもこのコード譜の評判が悪くリハの時には・・・、 「ちょ、ちょっと待った富山、いまどこ演ってる?」 「あ、いまダルセーニョで戻ったところで。」 「あれ? さっきダルセーニョしたけどな?」 「あ、ソロの後はダルセーニョ2なんです。」 「そうか、2っていうのがあるのか・・・。」 「あれ?富山、今どこ行ってる?」 「コーダです、コーダ。」 「コーダ2だろ?」 「あ、あ、コーダ3です。」 「3なんて無いよ。」 「い、いや、ここの3段目の・・・」 「え? あ!このちっちゃく書いてあるのか!」 「あのね、富山君ね、この書き方はもし気づいた方はコーダに飛んでください、気づかなかった方はそれはそれで結構です、という書き方だよ!もっとコーダとかはでっかく書くもんなんだよ!」 「あとなあ、ダルセーニョやコーダってのは本当は一つにしてほしいところだよ!二つも三つもあると何が何だか判らないじゃねえか!あと、コーダ行った途端ブレイク、っていうのは反則だ!」 「あとよ、この”ブライゲ”っていうのは何よ?」 「あ、ブリッヂです。」 「あのな、ブリッヂの綴りはbrige、じゃなくてbridge!」 牧と吾妻の大学の後輩だというのも若干は関係あるのかも知れませんが、もう惨憺たるやられようでした。意外にキッチリしている様で抜けているところがあるのは、こんな近所に出かける時の様なリラックスした足元にも表れているのかも知れません。 まあ、リハは大変でしたが、本番は普段なかなか出来ない完コピものなども含めて楽しく、また盛夏ということもあり、偶然揃った白系のシャツに色とりどりのギターを持って並んでいる3人、というのも得難い感じの見た目でもありました。 そして、終演後は阿波踊りの喧騒をよそに次郎吉で談笑して記念撮影。 うーん、井尻ィ君、まだジャイヴ味が足らないなぁ、と指導を受けてもう一枚。 今後、更に本格的な全国展開を目指して各地の状況をリサーチしていきたいものです。
2018年8月18日(土) 第9回すみだストリート ジャズフェス
吾妻 光良 & The Swinging Boppers
昨年は突然の雷雨と豪雨で3曲しか演奏でき ませんでしたが、今年はその屈辱戦です!違うな、 雪辱戦、って雪とか降らないだろうね???
会場と出演時間が決まりましたっ! 錦糸公園メインステージ 15:00~15:50
去年の予定演目のまま臨もうか、という話もあります。
詳細は下記を・・・
すみだジャズホームページ 屈辱を晴らす、とか雪辱を果たす、という場合、普通ならば、よーし、見てろよ!という強い決意や必死の朝練、滝に打たれたり座禅を組んだり、たるんでいるとケツバット、という努力がつきものですが、我々のすみだジャズの場合、何しろ相手が天候ですから、努力しても無駄でありまして「待てば海路の日和あり」、「果報は寝て待て」といった具合に何の努力もせず当日を迎えたわけですが、いや、日頃の行いの良さなのでしょうか、異常気象と呼ばれるこの2018年の夏には珍しく、素晴らしい快晴、しかし最高気温27.2度、湿度54%、オーウ、ココワァ、カールファオーニアデェスカァ?というぐらいの爽やかな天気に恵まれました。昨年、こんなに汗をかいている人は見たことが無い、というぐらいの汗で出迎えてくれたスタッフのT野さんも、今年は涼やかな顔で一年ぶりの対面でした。T野さんが案内してくれた楽屋用の場所は、町の集会場みたいなところで、前回の楽屋のカラオケ屋よりもだいぶさわやかで涼しげな環境です。余りに居心地が良いからか、コーゾーさんはさながら家にいるかの様なランニング姿でウォーミング・アップ。 やめてくれよ、香港の魚屋じゃないんだから、などと散々周囲からの批判を浴びた末にきちんとシャツに着替えます。さて、この日は昨年とまったく同じ選曲で臨もう!という作戦を立てたわけですが、そうは言っても我々も日々活動を続けていますので、演りたい新ネタなどもあります。一曲だけ「焼肉 Under The Moonlight」に差し替えたのは良いものの新しいネタだけにうろ覚えです。快適な楽屋で本番直前のリハーサル、吾妻は電池式のアンプ、早崎はピアニカ、でのリハであります。 「おいおい、待ってよ! 今、コーダだろ?」 「いやいや、俺ちゃんとこの通り吹いてるし」 「あれ?3回繰り返しじゃねーの?」 「あ、そうだ!この前やった時、コーダの位置が違うね、って話してたんだ!」 いやあ、危ない危ない、リハやっといて良かった、というひとコマでした。 楽屋からステージ裏に移動するとそこには”回す関取”(?)と異名を取るDJでも有名な敷島親方が、いやあ、良い天気になって良かったっす!と応援に来てくれました。ここはみんなで青空を見上げて感謝、というわけではなくて敷島親方による自撮りでした。でっかい構えの自撮りですねえ。 そして見てください、このすみだの青空! 調理職場制服用として売られていた赤シャツとのコントラストが何とも好評でした。いや、去年と同じ青シャツにしなくて良かった良かった。 そんな頃、これはどうしたカットか、と申しますと、Boppersのごく初期のメンバーであり、一枚目の”Swing Back With The…”のジャケにも写っている、松ブーが58歳にしてインドネシアのジャカルタに赴任することになり、ここは彼の壮行の意味も込めて、いつもの一曲目のインスト”Things Ain’t…”の時に出て来て1コーラスだけソロを吹いてもらったというわけです。 松ブーのソロが終わり、いよいよ本編への突入直前、というひとコマですが、このビッグバンドがステージに板付いている状態で、1人だけ下手にポツン、とラッパの人間がいる、という景色は余り本場のジャズとかの写真でも見た覚えがなく、何かビッグバンドに1人だけ応援団の団員がまぎれこんだ様にも見えるのが不思議なところであります。 さて、快晴だ、涼しいな、と浮かれてばかりではいけません、曲がりなりにも野外フェス、健康管理などにも気を配っておかないと楽しいバカンスの筈から、一転して奈落の底へと落ちかねないものであります。特に、酒の嗜み方を良くご存知無い様な若い方々に向けての警鐘を鳴らす一曲、という意味合いで選んだ一曲でございます、という紹介でお届けしたのが「大人はワイン2本まで」 「カーンパーイ! 先ずはいっぱーい♪」 おお、コーラスもバッチリですが、後半になってくると 「赤いのー! かなり酔ってるなー♪」 三平さんの顔がかなり赤くなって酔いが回っている様にも見えますが、そうではありません。涼しいけれどかなり直射日光は強いのです。何人かは日焼けしてしまったと思われます。 予定演目の後半には「150~300」を入れましたが、涼しいせいか、随分レイドバックしたテンポで始めてしまった早崎さん、途中で吾妻があおってテンポを上げようとしますが、一度始まったものは、そう簡単には変わりません。まあ、低血圧ヴァージョン、ということで良かったのかも知れませんが。それにしても早崎のズボン、吾妻のシャツ、とどちらの赤も強烈です。 ライヴも佳境に入り、吾妻も「ダブルネック2本使いオクターブ奏法」という大技に挑みますが、見た目はともかくまったく取るに足りない音しか出せていないところをどう改善していくか、が今後の課題といえましょう。 ジャズフェスですからね、最後は当然”On the Sunny Side of the Street”でしめたいところですが、とはいえ野外フェスですからね、見た目はピート・タウンゼントを意識した風車奏法で大団円となりました。5分ぐらい余って、アンコールも用意してなくはなかったのですが、ダダダ、とボランティアのPAスタッフの方々が片付け始めたのでこれでエンド。まあ、こういうフェスは進行を守るのが一番大切です。 楽屋に戻りまして、手伝っていただいたT野さんを始めボランティアの皆さんと記念撮影。ありがとうございました! この後、我々は長見順ちゃん達の「パンチの効いたオーケストラ」を観戦し、駅の反対側で予約しておいた2,980円呑み放題のお店で嗜んで帰りましたが、お店はもっと良いところがあったらしく残念です。次回はその屈辱戦、いや、雪辱戦が望まれるところです。
2018年8月4日(土) 横浜サムズアップ
吾妻光良3+1にLeyonaを迎え、 アンデーが炊きまくる箸の日
吾妻光良(Vo, G) 牧裕(Bs) 岡地曙裕(Ds) 早崎詩生(Pf) GUEST:Leyona(Vo) 安藤健二郎(Sax,Cla)
「アンデーが吹きまくる」と送ったら「炊きまくる」になってしまったけど「箸の日」ですから良いんです。 その昔、シティロードという情報誌に「水銀バッタ」というバンド名で載ったこともあるぐらいですから、これぐらいへっちゃらです!
open 18:00 start 19:00 前売 \3500/当日 \4,000 (+Drink)
サムズアップ ホームページ さて、若干1名タイからの出張帰り、という御仁もいたりして、コップンカー、とか暑いですタイ!という言葉も飛び交うなか、近隣スタジオでのリハとサウンド・チェックを終えて本番開始までは一時間強、とても近隣にたしなみに行こう、という気にもならない酷暑の日でした。ひたすら楽屋に引きこもって談笑しながらサムズにお願いした酒類でたしなんでいるうちに、あっという間に本番スタート。まあ、19時スタート、と早いですからね。でもこれぐらいに始めないと何かあると中央線組は帰れなくなったりしますから、はい。 おや、そのタイ帰りの御仁がいないじゃないか、と思うかも知れませんが、なかなかライヴハウスのステージ全体像を捉えるというのは難しいもので、あ、そうだ、今回の写真はすべてアンデーのご友人から頂いております、ありがとうございます。大丈夫です、タイ帰りも何のその、いつもの様に真っ赤な服に身を包み一生懸命弾いております。 時折「弾き過ぎだ!」と糾弾されることもあったりしますが、基本的には一生懸命弾いてくれている、というのはありがたいことですし美しいことで、それ自体、他人様からどうこう言われる筋合いのものでは無いですし、服の色も個人の自由ですが、 このTシャツだけは何とかならんのでしょうか。真夏のお化け屋敷の様です。ちなみに早崎さん、このシャツは二枚お持ちだそうで。さて、気を取り直して肝心のアンデーさんはというと、 オヤジはいつもの様に喜んでおりますが、何だ、いつも通りじゃないか、そんなに炊きまく、いや、吹きまくってないじゃないか、とお嘆きの方もいるでしょうが、 大丈夫です、そこはそれ、トリオ一派よりもひと周り程度若いので、まくる時はまくります。還暦過ぎると、ここまで体を斜めには出来ません。何しろこの酷暑ですから、頭から湯気が出てる様にも見えます。でもステージにデブが多いと暑苦しいな、とお感じの方々のために、良く演っている”Everybody Loves the Fat Man”という曲では (デブは)♪手をつないだって柔らかい、抱きしめられても痛くない♪ というのをアンデーと吾妻の身をもってお示ししました。これもLGBTの方々が多いタイの影響かも知れません。そしていよいよ二部になり、歌姫Leyonaの登場。 いやあ、ずいぶん見た目も変わります。一挙に華やかになりました。吾妻はあたかも胸いっぱいに香りを吸い込む様な表情、岡地おじいちゃんは頬がゆるみっぱなし、牧さんは・・・、コードを追うのに一生懸命です。 何がこんなに嬉しいんでしょうか。細かいことは覚えていませんが、よほど嬉しかったのでしょうな。ジジイ、良かったな!という一枚です。 しかし、演奏の方も手を抜いているわけではございません、みんな、ここでブレイクだよ!というのを吾妻が皆に必死に指示している様子も見受けられます。しかし、アンデーは笑いがこらえきれず、Leyonaは目が完全に「の」の字になっていることからすると、破綻する寸前のひとコマなのかも知れません。 にしても、このLeyonaは赤いですねー。こんなに赤くは無いと思いますが、実はその向こうで吾妻は必死にコードを追っていますが、残念ながら二箇所ほど派手に間違えてしまいました。以後、気をつけますからLeyona、怒らないでコップンカーップ! ということで楽しく過ごして参りました横浜の夜、もうアンコールまで消化してしまい、ネタも無くなったので、最後はLeyona抜きでブルースを一曲、たまに演ると良いものです。酷暑にも関わらず、こんな70人を超える方々にお越しいただき、ありがたい限りです。また、曲を忘れないうちに演りたいものですね。