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2024年9月

2024年9月27日(金)
高円寺 楽や
Special Duo+Guest

吾妻光良(G,Vo)/照本史(Kb,Vo)/田村エナ(Vo)

うわ、ここのところちょっとライヴを入れ過ぎたのか、自転車操業気味となってすっかりこの公演の告知を失念しておりました! 照本さんとエナさんの三人で「珍しくきちんとハモる」というセッション、なかなか得難い機会となっている楽やの晩であります。この頃にはお彼岸も過ぎて、さわやかな秋が訪れているのでしょうか、それともまだ異様な猛暑が続いているのでしょうか。それによって選曲も変わるのかなあ、などということも考えねばならない今日この頃でもあります。

開場19:00 開演19:30
チャージ1,000円+オーダー&投げ銭

楽やHP

これで4回目、いや、5回目の楽やでのこのセッション、綺麗に三か月ごとに開催されています。4回目か5回目かも定かではない、というのに何故そんなことがはっきり言えるのか、というと、吾妻は3ヶ月ごとに歯医者さんから口腔ケアのお知らせが届きますので、ちょうどこのセッションのちょい後ぐらいに毎度歯医者さんに行っているのです。そして4回目か5回目とはいえ、いつもセッティングの時にはちょっと位置決めで迷うのであります。というのも

この写真の様に、決してそう広くはない店内を有効に使うために、結構狭い場所にギュッと凝縮して楽器や椅子を置いているのです。この日も照本さんから、もう5cmピアノを前に出して良いか、エナさんはあと10cm前に行けるか、といった微調整を経て配置が決定しております。そうですね、途中からそのエナさんも登場します。

段々とエナさん入りの曲も増えてきてまして、この日は16曲中9曲はエナさんを入れた3人でお届けしまして、今後もどんどん増やしていければ、と思います。そしてそう!いつもですとエナさんが登場すると照本さんの姿が見えなくなるのですが、それはいつも肥後さんという方に録って頂いている動画から映像を切り出していて、そのビデオカメラの置けるスペース限られているためにそうなっているのですが、今回は別に静止画も撮って頂いているので、こうして全員が写っている映像が入手できているのです。肥後さん、ありがとうございます。
さて、このセッションの特徴と申しますと、三人によるコーラス、ですが、この様に各自懸命に唄っております。

各自、何となく視点が定まっていないのは、それぞれ音を探しつつ唄っているからなのですが、終わってみると今の唄い方で良かったのだろうか、ひょっとしてもっと良いソリューションは無かったのだろうか、と悩むメンバーもいたりします。

二部も頭の3曲は二人だけで演ってその後にエナさんの登場、という段取りなのですが、あれ?

このケーキは何なのでしょう?というと実はこの日はこれらの写真と動画を撮ってくれている肥後さんの誕生日なのでした。ということで、エナさんが登場と同時に持ってきたわけです。でもご自分で撮った写真かどうか判らないので、写真のキャプションには「?」がついています。さて、最後の曲だけはまた二人に戻って、30年前ぐらいに必死に練習していたキング・コール・トリオの”On The Sunny Side Of The Street”、ジャイヴの障害物競争、とも異名を取るこの曲をお届けしました。

表情に余裕が無いのが見てとれます。というわけで、コーラスも含め結構な難曲もあったこの日のライヴですので、最後ぐらいは、ということでアンコールは、「バカっぽい曲」の三本の指に入ると言われている、ヒューイ・スミスの”Don’t You Just Know It”でお別れです。

簡単なものもそれはそれで楽しいものですね。三か月に一回ですから、まだ年内にもう一回お届けできると思います。

2024年9月14日(土)
なんばHatch
なにわブルース・フェスティバル2024

   

吾妻光良&The Swinging Boppers

今年は土日月、の三日間開催のなにわBF、初日にBoppersでお邪魔させていただけることとなりました!前回は一曲だけ上田正樹さんのバックも務めさせていただきましたが、今回は目下のところ自分達だけで演らせていただく感じかと思っております。な、何か不手際とかあったっけ?と思い返しますと、コーゾーが地下鉄の乗り換えで一人だけ間違った電車に乗ってしまい、到着時間が遅れてしまった、という失態がありました。今年は気をつけて乗り換えさせましょう。

開場:16:00 / 開演:17:00
前売料金(税込)
指定席 ¥8,000-
/ブルースシート ¥12,000-(全席指定)
 (ブルースシートは各日限定人数・ブルースセット付・座席は1階又は2階席の最前列)

上のフライヤーを見ていただければお判りの様に、このなにわブルースフェス、この世にフェスは多々ありますが、これだけ多くの出演者が集うのもそうは無く、ましてや今年は三日間開催、本当に時間内に収まるのかなあ、などと事前に仲間うちで話していたのですが、ある日、主催のT田さんから送られてきたスケジュール表を見てビックリ!何とこの出演者達を時間内に収めるために、それぞれのバンドの持ち時間は20分、もしくは25分、ということになっておりました。我々も25分枠でしたが、演り足りない、などと文句を言ってる場合ではございません。ここは精一杯やらせていただく所存でございます、という心構えにしてはずいぶんダラけた行きの新幹線の風景でありました。

しかし実は今回のなにわBF、我々にとっては大きな試練がございまして、実は本番の数日前にトランペットの冨田が家庭の事情で急遽参加できない、ということになり、ど、どうしようか、お、大阪だし25分だし、だ、誰か、ひ、引き受けてくれるラッパ吹きはいるだろうか?とかなりな混乱状態に陥ったのですが、いや、持つべきものは友人でございます。タンメンのバンドでギターを弾いている井尻ィ氏に相談してみたところ、彼がもう一つやっている大編成のジャンプ・バンド、Loose Hepcatsのトランペットの南さんが引き受けてくださる、とのことで、何とありがたいことでしょうか。早速会場入りしてリハに臨みますが、

ちょっと顔が半分隠れてしまいましたが、後列一番左に南さんが参加して頂いているのが判ります。ありがとうございました。この日の出番は実は我々が最後、残すはアンコールのみ、ということでステージはそのままアンコールのリハへと進みますが、かなりの人数になりました。

進行役(?)の有山さんからは、「誰でも出たい人は出てきてな」というので、吾妻も楽屋にたむろしているメンバー達に電話してこの後、合流してもらったりしました。ここからしばらくすると早くも開場〜開演です。木村さんと有山さんのDuoに始まり、初夏ちゃんのトリオや若手のOSAKA ROOTS、ナオユキさんの最高な漫談などもはさんで気がつくとリクオさんのソロになりましたが、吾妻は以前、リクオさんから二曲ぐらい一緒に演りましょう、と誘われておりましたのでノコノコと出て行きました。

右側のもう一人のギタリストはOSAKA ROOTSの久米さんでして、2人でテキサス風ギター合戦も繰り広げたりしました。そうこうするうちにホトケさんのBlues The Butcher、金子マリさんとBig Horns Bee、と進んで我々の出番。

広いステージにずいぶん広がって配置されているので真夏にしては寒風吹きすさぶ寒々しい感じも漂いますが、25分一本勝負、頑張って演らせていただきました。

そして最後は、出ました!リハ後半の声がけが実を結んで、我々やBig Horns Beeの皆さんの管楽器セクションも増殖したことによってものすごい人数となったアンコール・セッション!

4時間50分にも及ぶ一大ブルース・フェスティバルの初日は無事終わり、先ずは楽屋で乾杯です。後方に写っている冨田の代打の南さんもありがとうございました!

実は西島さんやコーゾー、三平などのジャズ爺イ達は、初夏ちゃんのバンドのベースの珠奈ちゃんをジャズ・アヴェンジャーズ、というバンドで前から知っていて、あれ?今出てるの、ジュナちゃんじゃない?と多少興奮気味でありまして、打ち上げの時もいつになく嬉しそうでした。

「マリさーん、今度俺達のゲストで出てくださいよー」
「いいわよー、スケジュールが合えばオッケー。」

といったやりとりもしつつ、マリさんとも記念撮影。

この後はT田さんの経営するお店、SORAにて本格的な打ち上げに突入です。いろいろ乾杯したり歓談したりしているうちにリクオさんのオン・ステージ!

するともう酔いは充分回っておりますので、気がつくと吾妻も

この様な状態に突入し、更にマリさんに相当クド目にリクエストでもしたのでしょうか、

こんな写真も記録としては残っていました。しかし、やけに店がガランとしてますが、みんなもう帰ってしまった、ということでは無いと思います。ちなみにBoppersの管の面々は結構早めに切り上げた筈でしたが、西島さんは珠奈ちゃんが遅れて打ち上げに来たタイミングですれ違い、宿に帰るのをやめて打ち上げ会場に戻っていました。
そんな頃、ホテルに戻ったバリトンの山口三平がフロントで鍵をもらったところ、こんな表記になっていました。

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2024年9月15日(日)
なんばHatch
なにわブルース・フェスティバル2024

吾妻光良トリオ+1

さて、翌日曜日はリズム隊の4人だけ残って演らせていただきます。トリオ+1でHatchと言いますと、房之介さんの古希祝いのライヴの時に、これも一曲だけバックを務めさせていただいたことがありますが、今回のなにわBFでも、ある方のバックを務めさせていただくとか、いただかないとか、そういう話がおぼろげに浮かんできておりまして、その辺りも乞うご期待、といったところであります。

開場:15:00 / 開演:16:00
前売料金(税込)
指定席 ¥8,000-
/ブルースシート ¥12,000-(全席指定)
 (ブルースシートは各日限定人数・ブルースセット付・座席は1階又は2階席の最前列)

それにしても「ブルース・セット」って何でしょうね?

なにわブルース・フェスHP

ということで、初日でBoppersとしてはお役ごめんですので、管楽器の面々は帰途につきましたが、それぞれの予定もあったりするので、早めに帰る人もおりますが、ゆったりと帰ったのはこの4人組。

「バンド」というよりは「慰労会」的な雰囲気が漂います。この日のトリオ+1は昨日とは逆に、出番がトップですので、諸先輩に申し訳ないぐらいの時間にゆったりと会場に入り、さっ、とリハを済ませますと、早崎さんと岡地さんが有山さんに誘われて、開演前のロビーでのウェルカム・セッションに出演しました。

吾妻もこれを見に行こうとしていたのですが、どうやらウェルカム会場が二ヶ所あったらしく、別のバンド「激団モンゴイカ」の皆さんのステージをしばらく見ておりました。

ウォッシュタブ・ベースやのこぎりヴァイオリンなども使う、いわゆるジャグバンドのしつらえですが、余り求道的に走りすぎることもなく、そのくだらなさ、適当さが初期バンバンバザールの様な、なかなか面白いバンドでした。そしてじきに開演となりまして、この日のトリオ+1の持ち時間は昨日のBoppersより更に短い20分。

それにしてもいったいどこを見ているのか、我ながら良く判りません。で、20分ですから、せいぜい4曲なわけですが、ここは折角ですので一曲、

有山先生をお呼びすることにしました。

「有山さんは企画、運営に関わってるから大変ですよね。」
「そらな、有山準備、ちゅうぐらいでな。」

こんな感じで喋っていてはいつまで経っても終わりませんので、はいはい、演りますよー、とファッツ・ウォーラーの名曲で、山岸さんによると、ニューオリンズでこの曲を知らん奴はもぐりや、という有名な”If You’re A Viper”をお届けしました。

更にこの後、先日の拾得でのリクオさんの還暦イベントの時に、お誘いがありまして、房之介さんのThe Slow Walkerzでも二曲ほどご一緒させていただきました。

実はこのバンドのギタリストで房之介さんとも結構長いこと一緒に演っておられるギターの秋山さんは、もう今から30年近く前、まだ吾妻が放送関係の音響の仕事をしている頃に大変お世話になった方ですので、非常に感慨深い共演でした。ありがとうございます。そしてこの日も最後には、管楽器軍団こそいないものの、Charさんからモンゴイカさんまでこれまた凄い人数でのアンコール・セッション。

そして昨日と同様、先ずは楽屋で乾杯! 何はともあれ、房之介さんに呼んで頂いた御礼を述べました。

そして、人生は何と数奇なものでしょうか。この日はブルース界の大先輩、レイジー・キムさんが遊びに来てくれていたのですが、何とキムさんと房之介さんのバンドの秋山さんは幼なじみで、すぐ近くに住んでいたそうなのです。

いやあ、世の中広い様で狭いですねー。そしてこの日も乾杯飲みは短めに切り上げて昨日と同じくSORAへ。

そうそう、そういえばコテツさんともかなり長い間一緒にいましたが、写真が無かったですね。そして談笑しているうちに酔いも回り、結局最後は誰からも頼まれてもいないのに、

こういうことになってしまいました。いやあ、ブルース関係者が多いとついリラックスしてしまうのでしょうか。

2024年9月10日(火)
高円寺JIROKICHI
クラゲトラボルタ

かわいしのぶb.司会進行 梅津和時as,cl マダムギター長見順vo,g
多田葉子sax 岡地曙裕dr 西尾賢vo,pf,ほか <ゲスト>吾妻光良vo,g

異能のベーシストにして回文の鬼才、かわいしのぶさんが主宰するクラゲトラボルタに吾妻がゲストとして呼んでいただくことになりました。が、そもそも「クラゲトラボルタ」とは何ぞや、という疑問は頭から去りません。む、しのぶさんのことですので、ひょっとして回文ではないのか、とひっくり返してみましたが「タルボラトゲラク」、うーん、判らない。無理して予習せずに当日ご本人に聞いてみることにしましょう。

開場18:30 開演19:30
前売:3,800円/当日4,300円(+ドリンク)

JIROKICHI ホームページ

まったく何の主旨もわからないまま、初参加することになった「クラゲトラボルタ」ですが、時はどんどん過ぎていき、そうこうするうちにしのぶちゃんから、これこれこういう曲を演りたいんですが、吾妻さん、歌えますでしょうか?というメールが来て、一曲はプラターズの「Twilight Time」、はいはい、これは手前も時々唄っておりますので全然大丈夫です、と答えまして、もう一曲は聞いたことは無かったけれど、映画「シャイニング」で使われているという「Midnight,The Stars And You」というこれも意外に覚えやすそうな曲なので、はいはい、演りましょう、と答えて歌詞を確認して譜面を用意しているといつの間にか当日に。実はピアノの西尾さんとは初対面なのですが、素敵なメロディ感覚と穏やかなお人柄には感服いたしました。かなり多量の演目ではありましたが、無事全曲リハを終えて中華屋さんで本番前のたしなみタイム。

「しのぶちゃん、『クラゲトラボルタ』とはそもそもどういう?」
「あ、私。実はクラゲが好きなんですねぇ。」
「ほうほう。それで?」
「あと、ジョン・トラボルタも大好きなんですぅ。」
「はあ。」
「だから毎年誕生日に、好きなことだけやるイベントをこのタイトルにしたんですぅ。」

吾妻の場合は、動物で好きなのは・・・、ウォンバットかなあ、そして女優さんで好きなのは、やっぱり酒井和歌子さんかなあ、とすると毎年「ウォンバット和歌子」というイベントを誕生日にやっている様なことか、とようやく合点が行ったところで幕を開けた「クラゲ・トラボルタ」

しかし「好きなことをやる」の裏には努力も欠かせません。この壁に飾られているロゴもしのぶちゃん自らが作って持ち込んだものであります。先ず先発は順ちゃんからで、彼女のレパートリーを数曲。

続いてはいきなりピアノの西尾さんの三味線芸が出たり、

それにかぶさる様に、奥様の豆奴さんとしのぶちゃんの踊りも加わったりと、好きなことだけ、というコンセプトですから、他人様の夢を見ている様な珍しい展開で進んでいきます。

こうした展開のあと、吾妻は一部の最後の曲、西尾さんの書いた「闇の海路」という曲で参加しましたが、いやあ、良い曲でした。 始まってここまで見て来た時点でしのぶちゃんには、いやあ、どういう催しかようやく判ったよ、と報告させて頂きました。

そしてこの「闇の海路」、もちろんしのぶちゃんの好きな曲でもあるので、こうしてご本人自ら歌っておられました。

休憩後は吾妻が続けて何曲か唄わせていただきましたが、しのぶちゃんの誕生日イベントとはいえ、他の人間が楽しんではいけない、という制限はございませんので、自分としても演ってて楽しい曲を演らせていただきました。

曲間で何を話したか、などというのはもう忘却の彼方ですが、なかなか現場は面白かったのではないか、と写真からは推察されます。

まあ、結構沢山喋っていたというのは何となく覚えているのですが、それにしてもどうしてこんな、「あらあ、そうなのかしらねえ。」といったご近所の奥さんの寄り合いみたいな風景になっていたのかは不明です。

そして終盤にはご本人にはサプライズでバースデー・ケーキの贈呈式。

アンコールの最後の一曲はしのぶちゃんのたつての願いの一曲、冒頭にお話しした「Midnight,And The Stars And You」を吾妻とのデュエットでお届けしました。

終演後、楽屋でみんなでしのぶちゃんの誕生日を祝いました。

また呼んでくださいね。だって折角覚えた曲、勿体ないですし。

2024年9月7日(土)
国立 ノートランクス

吾妻光良(Vo,Gt,Pf),長見順(Vo,Gt,Pf)
岡地曙裕(Dr,Cho)

岡地/長見ご夫妻との国立ノートランクスでのライヴもこれで3回目でしょうか。まだ時節としては暑いのかなあ、などとも思いますが、20人限定ライヴということもあり店内は充分に涼しいのではないか、と思われます。実は国立と申しますと、順ちゃんの新しいアルバムの録音ということでこの国立の、あれ、まだ言っちゃいけなかったのかな? まあ、いいか、ダメだったらあとで消しゃあいいか、ちょっと良い大人にしてはいい加減ですが、そんなゆかりの地での演奏、というのも趣き深い様な気もいたします。

開場18:00 開演19:00
ミニマム・チャージ1500円+投げ銭1000円〜

ノートランクス・スケジュール

そんなわけで順さまの新作を録音したスタジオのすぐ近所にあるノートランクスですので、何か前よりも親近感が湧いてきます。やはり予想どおり、まだ猛暑が続いていたので精神的にもボーっとしていたのでしょうか、いざリハを始めようとすると、順さまからその録音の時に吹き込んだ曲を二曲演りたい、と言われていたにも関わらず、譜面をものの見事に忘れてきてしまい、もろもろ手間取っているうちに開演まであと一時間、という頃になり、焦って島貴族、じゃないや、鳥貴族に入って曲順打合せ、事前のたしなみ、着替えなどを済ませてノートランクス入り。夏真っ盛りということもあり、吾妻はハワイアンにカリプソ、といった演目も積極的に取り入れました。

特にカリプソでは、ライオン、というカリプソニアンが唄う”Love Thy Neighbor”という曲が前から凄く好きなわけですが、この曲の「汝の隣人を愛しなさい」というメッセージを伝える必要性もこれまで特に感じなかったのですが、SNSで人の悪口を言う芸能人とか、パワハラの激しい知事とかが出現する今の世相には改めて必要な曲なのではないか、ということを感じて急遽唄わせていただきました。そして順さまはギターに持ち替えて、

ファンク調オリジナル「百姓の娘」を唄いますが、ギター。ギター、ドラムではいまひとつファンクう味に欠けるので、吾妻がギターのチューニングを少し落として、ベースの役割に徹します。慣れないことをしていると、表情も普段とは少し変わった趣きになるものですな。

吾妻も最初は、最近練習してないからピアノはいいよー、と断っていたのですが、いつの間にかピアノの前に座ることになってしまいました。皆が何故こんなに笑っているのか、余りに前のことで忘れてしまいました。そして、終演後は、マスターにいろいろなツマミを作ってもらい、すっかり飲み上げてしまいましたが、さて、酔いが回ってきて近くにピアノがあれば、もうそれは練習なんかしてなくたって関係ありません。

23時過ぎの高円寺などで良く見られる風景の再来でございました。

2024年9月6日(金)
高円寺JIROKICHI

リクオ presents
KANREKI HOBO CONNECTION
〜 JIROKICHI編 第2夜(9/5~7開催)

リクオ/吾妻光良/The Tiger

リクオさん還暦記念興行・東京での三日間の中日にお邪魔させていただくこととなりました。京都では諸先輩とご一緒させて頂きましたが、今回は若手バンドのthe Tigerさんとご一緒します。リクオさんと吾妻の年齢を足しますと、128歳、ということになりますが、The Tigerさんはプロフィールを見ると2014年当時、高校生だったそうです。高校生と言うと大体、16歳から18歳ですので16歳だったとすると今は26歳、4人足し上げても104歳、仮に18歳だったとしても28×4で112歳、どうあってもおじ(い)さんチームの勝ちなのですが、そもそも勝ち負けじゃないですね。とりあえず老いも若きもおめでとうございます!の気持ちで頑張りましょう。

開場18:30 開演19:30
前売:5,500円/当日6,000円(+ドリンク)

JIROKICHI ホームページ

リクオさんのこの次郎吉での”KANREKI HOBO CONNECTION”ですが、3晩連続の催しでして、この日はちょうど中日。まあ日によって若干増減はあるのでしょうが、この日に限ってもだいたい演目としては20曲近くはあった様に記憶していますが、良く全部頭に入ってますねー! と感心していたら、いや、もう頭の中はワチャワチャで、と言われていましたから、やはりそこそこ大変なのでしょう。吾妻との年齢差は8歳ぐらいありますが、やはりこれだけの差があると、記憶力や把握力にもそこそこの差は出てくるのでしょう、吾妻に同じことをやる自信はありません。しかしそこへ行くとThe Tigerの皆さんは20代!もはや、超能力者か、というぐらい色々なことを次々と吸収していくのを目の当たりにしました。結構な量のリハーサルを終えて、さて、空き時間。

「リ、リクオさんはどうされますか?」
「あ、どっか行きますか?」
「で、でっすよねー。」
「Tigerのみんなも誘いますか?」
「え?、いや、行かないっしょ?」
「いや、聞いてみますわ、みんな行く?」

すると、え?ご一緒して良いんですか?という流れになって全員で向かいの極楽屋さんへと繰り出しました。若者と見ると飲みに行かないもの、と決めつけるのは良くないことですね。注文の時にリクオさんがちょっと迷っているので、どうしたのですか、と尋ねると、最近痛風が出たばかりなので、ビールを頼むべきかどうか迷っている、とのことでした。いやあ、Tigerのみんなは痛風の心配なんて何も無いからうらやましいなあ、と話を続けていたら何とベースの秋山さんは尿酸値が高くて心配だ、という様なことを言われるので、そうなるともう土俵はこちら側です。

「あのね、食い物とか飲み物の前にだな。」
「はいはい」
「何はともあれ、水を飲むんだ。」
「はあ、水…ですか。」
「そうだ。リクオ君もだよ。ガブガブ飲め。」
「そうですか…。やってみます。」
「あとな、これはホトケさんから教わったが」
「はいはい。」
「ステージでは酒も良い、煙草を吸っても良い。」
「はあはあ。」
「ただ、ツマミだけは食うな。」
「そ、そうですか。」
「まさに。ワシはこれを40年守ってきた。」

酒が回るにつれて気も大きくなり、最後の方はこんな調子で威張りちらしてしまいました。
さて、お店に戻ってトップ・バッターはThe Tigerの演奏。

これぞ若き血潮、という感じで次郎吉店内も一挙に若返った感じがします。実はこの日吾妻はお昼ぐらいまで何のギターを持って行くべきか悩んでいたのですが、この日のLynちゃんのギターが、

このオレンジ色のグレッチ。うわーっ、危ねえっ!実はこのコピーモデルとチャキのフルアコのどちらにしようか、とギリギリまで迷っていたのです。コピーモデルも単体で見るとなかなか良く出来ているのですが、こうやって本物のすぐ隣で見られると、いかにもまがいもん、とかパチもん、といった風情に見えてしまうので、本当に持って来なくて良かった良かった。そして、彼らだけの演奏に続いてそこにリクオさんが混じります。

Lynちゃんとリクオさんのコーラスも見事でした。そしてリクオさんのソロ・コーナー。

そしてここに吾妻が加わりまして、

思えばこのしつらえではもう何回も演らせていただいてますので、さほど緊張もせずリラックスしてお届けできるわけですが、ここに若いドラムの方とベースの方が加わる、というのもなかなか無い機会です。

写真で見ると目が座っている様にも見えますが、実はそんなに緊張もせず、また酔い過ぎでもなく、丁度良い感じにこれもリラックスして臨めました。まあ、一度若者達に対して威張りちらした後ですからね。

ここで更にギターの泰河君も加わりまして、だいぶステージも熱くなってきました。そう、泰河君のバンドだから、The Tiger、というんですよ。知ってましたか? 吾妻も以前に聞いていた気もするのですが、この日まで忘れておりました。そして、Lynちゃんも混じって全員集合!

Lynちゃんといえば、初めて見た時のアレサの”Respect”、超高音も取り入れてのそのカバーが鮮烈な印象となって残っていますが、R&Bはもう少し古いのにも良い曲が多いんだよねー、こんな曲をデュエットしてみないかね?ということで、ラッキー・ミリンダ楽団でアニスティーン・アレンとビッグ・ジョン・グリアーの二人が唄っていた”I’ll Never Be Free”という曲を演らせて頂きました。吾妻が目を剝いているのは、Lynちゃんの高音にやられているのかも知れません。そして最後はリクオさんの曲をコーラスで盛り上げて大団円、この時はまだ少し手前でしたが、いやあ、還暦おめでとうございました。

ご来場の皆さんと配信をご覧の皆さんにありがとうございました!と伝えるリクオさんの後ろで吾妻も「ナマステー」と謝意を伝えさせて頂きました。

2024年9月3日(火)
横浜THUMBS UP

TUESDAY NIGHT SPECIAL  with 吾妻光良

福島康之 vo,gt(from バンバンバザール)
下田 卓 Tp(from カンザスシティバンド)
丸山朝光 Banjo(from ハチャトリアン楽団)
Guest 吾妻光良 vo,gt

福岡の中年実業家、バンバンの福島さんに呼ばれてサムズアップに出演させていただくこととなりました。メールで連絡を受けて、こんな感じでよろしいでしょうか?と送られてきた文言の中には、
「日本音楽界の至宝、吾妻光良さんを迎えて」
というのがあったので、おいおいおい、
いくら何でもこれは言い過ぎだろ、例えば
「阿佐ヶ谷の自称ミュージシャンを迎えて」
ぐらいにしておくれよ、と頼んだら、あ、もうこれで出しちゃいましたから、だそうで、これだからまったく若いヤツってのは、あ、そうか、もう全然若くはないのか。てなわけで、周りも良く知ってるメンバーなので、気が楽であります。

開場:18:30 / 開演:19:30
前売:¥3,500 / 当日:¥4,000(+1Drink)

THUMBS UP HP

平日の夕方にサムズに向かう、というのもこれまであまり無かった風景ですが、どことなく知らない街にやって来た男、という気分にもなってサムズに入っていくと中年実業家の福島先生を始め、顔見知りの下田さんと丸山さんもいて、一挙に日常の感覚に戻ります。何でも、このライヴは普段は「MONDAY NIGHT SPECIAL」と銘打って催されているもので、バンバンの黒川さんが月〜木でラジオ番組を持っているため日曜日でバンバンとしてのライヴは終わり、余ったメンバー(失礼!)でもう一日とか演っていく、という習わしがある様で、その火曜日版に呼ばれた、ということでした。そして、この時にはバンバンの曲は一切演らずに洋楽縛りがかかる、というスタイルで、来る前は知らない曲も多そうで、どうなるのか、とも思っていましたが、何となく聞き覚えのある曲も多く、無事にリハは終了。福島さんは昔からお酒をたしなまないので、吾妻、下田、丸山(敬称略)の3名でビルの1Fまで下りて、迷いなく「一軒目酒場」という居酒屋に。普段、土日に来ることが多かったので、先ずこの店に入れたことは無いのですが、さすが平日、何とか三人で入れました。

「それでーっ!俺はーっ!」
「ワキャキャキャハ!」
「ビールなのーっ!」
「アキャキャキャキャ!」
「インスタのぉ! ジョノカのページがあ!」

ドッターン!

「あっはっは、だいじょぶぅ?」

「それにしても、あの若者達、凄い酔い方ですな。」
「あれはもう『十軒目酒場』という感じですね。」

本当に十軒目酒場、というのがあったらどんな経営形態なのか、という大変知的好奇心を刺激される様な話題で盛り上がりつつ、小一時間を過ごすとはや本番。

ドラムとかベース、ピアノがいるバンドを長くやっておりますと、ステージ上に立体的に楽器や人々が配置されているのに慣れているのですが、この日はこんな横並びの配置でこれはこれで新鮮です。しかも、この四人とも全員がそれぞれ歌を唄うのでましてや横並び感が強いのもまた面白いところです。

一見、何の関連も無い様に見える二名ですが、何と二人とも生まれは東京・新宿区、という共通点があります。しかしその他は、かたや酒飲み/かたや下戸、かたやギャンブル狂/かたや全然ダメ、かたやブルース出/かたやフォーク出、と違うところばかりで、この日も二人とも同じ歌をレパートリーにしていることが多いのにキーが全然違う、ということが判明しました。色々な曲を演りましたが、先ず福島さんは唄わないだろう、ということでダンスの曲を一曲ご披露させて頂きました。ビリー・ザ・キッド・エマーソン、という人の「ドゥ・ザ・チキン」。「チキン」というダンスはこうやって踊るんだぜ、という歌詞の内容ですが、熱心に伝えようとするあまり、

断末魔の様な表情になってしまいました。何だかんだと楽しく過ごしまして、終了後はサムズ店内にて打ち上がりました。

何だかんだ写真が乏しかったので、福島社長のフェースブックから無断で借用してきた写真を使っておりますが、後から何か言われるでしょうか?ま、フォーク出だから大丈夫ではないか、と思ってはいるのですが。